副腎・副腎腫瘍

副腎は、左右の腎臓の上にある小さな臓器で、血圧や血糖、体内の塩分や水分のバランスなどに関わるホルモンを分泌しています。

副腎の病気は、症状がないまま、ほかの病気で受けたCTなどの画像検査で偶然見つかることがあります。見つかる腫瘍の多くは良性ですが、腫瘍の大きさや形だけでなく、ホルモンが過剰に分泌されていないかを確認することも大切です。

また、高血圧や血液中のカリウムの低下、体型の変化などをきっかけに、副腎の病気が見つかることもあります。

検査で副腎の異常を指摘された

  • CTやMRIなどの画像検査で、副腎に腫瘍(副腎偶発腫瘍)があると言われた
  • 副腎の腫瘍が見つかったが、ホルモンの検査はまだ受けていない

血圧やカリウムの異常を指摘された

  • 高血圧の原因となる病気がないか調べたい
  • 高血圧の薬を何種類か飲んでも、血圧が下がりにくい
  • 若い年齢で高血圧と診断された
  • 血液検査でカリウムが低いと言われた

このような症状がある

  • 急に血圧が上がり、動悸・頭痛・汗が出るなどの発作を繰り返す
  • お腹や顔まわりに脂肪がつく一方で、手足は細くなってきた
  • お腹や太ももに、幅の広い赤紫色の線が出てきた
  • 皮膚が薄くなり、あざができやすくなった

これらに当てはまっても、必ず副腎の病気があるとは限りません。症状やこれまでの経過、服用している薬、検査結果などを確認し、必要な場合にホルモン検査や画像検査を行います。


当院の副腎診療

院長は、総合病院の糖尿病・内分泌内科で、副腎疾患を含む内分泌疾患の診療に携わってきました。

副腎の病気は、高血圧の原因になるほか、心臓や血管に負担をかけることもあります。当院は循環器内科も診療しているため、ホルモンの検査に加えて、血圧の管理や心臓への影響の確認も含めて診療します。

詳しい検査や手術が必要な場合は、連携する病院をご紹介します。手術が必要ない場合や、紹介先での治療後に病状が安定した場合は、お薬による治療や定期的な経過観察を当院で続けることもできます。


当院で行う副腎の検査

疑われる病気に応じて、次のような検査を行います。

血液検査・尿検査

血液中のナトリウムやカリウムなどを確認します。
アルドステロン、レニン、コルチゾール、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)などのホルモンを調べます。これらの検査は、採血の条件や服用している薬の影響を受けることがあります。そのため、必要に応じて採血の時間を指定したり、検査前に薬を調整したりします。
褐色細胞腫が疑われる場合は、血圧を上げるホルモン(カテコラミン)が分解されてできる物質を測る、メタネフリン分画という検査を行います。

ホルモンの詳しい検査

通常の血液検査だけでは判断できない場合は、ホルモンの分泌をより詳しく調べる検査を行います。
たとえば、コルチゾールが過剰に分泌されていないかを調べるため、前日の夜に少量のデキサメタゾンという薬を飲み、翌朝に採血する「デキサメタゾン抑制試験」を行うことがあります。

CT検査

CT検査は院内で行えます。
副腎に腫瘍がある場合は、大きさや形、内部の状態などを確認します。ほかの医療機関で撮影した画像(CDなど)をお持ちいただければ、以前と変化がないかも比較します。


副腎腫瘍・副腎偶発腫瘍

副腎偶発腫瘍とは、腹痛など別の病気を調べるために行ったCTや、人間ドックの画像検査などで、偶然見つかった副腎の腫瘍のことです。
副腎偶発腫瘍の多くは良性で、ホルモンを過剰に分泌しないものです。ただし、目立った症状がなくても、ホルモンを過剰に分泌している腫瘍もあります。また、まれに悪性の腫瘍が見つかることもあります。

そのため、CTでの確認とホルモン検査を行い、経過観察でよいか、さらに詳しい検査や治療が必要かを判断します。


原発性アルドステロン症

原発性アルドステロン症は、副腎から、体に塩分をため込むはたらきのある「アルドステロン」というホルモンが過剰に分泌され、高血圧を起こす病気です。高血圧の方の約5%にみられるとされ、通常の高血圧に比べて、脳卒中や心房細動(不整脈の一種)などを起こしやすいことが知られています。
血液中のカリウムが低くなることがありますが、カリウムが正常な方も多くみられます。高血圧の方では、一度この病気がないか調べることが望ましいとされています。特に、薬を何種類か使っても血圧が下がりにくい方、若い年齢で高血圧と診断された方、副腎腫瘍が見つかった方はご相談ください。

診断では、まず血液検査でアルドステロンとレニンを測定します。この病気が疑われる場合は、必要に応じてさらに詳しい検査を行います。
治療は、原因が片方の副腎か、左右両方の副腎かによって変わります。片方の場合は手術が選択肢になります。左右両方の場合や、手術を希望されない場合は、アルドステロンのはたらきを抑える薬で治療します。

手術を検討する場合は、左右どちらの副腎が原因かを調べる検査(副腎静脈サンプリング)が必要になることがあります。その際は、連携する病院へご紹介します。


クッシング症候群

クッシング症候群は、血糖や血圧の調整などに関わる「コルチゾール」というホルモンの作用が過剰になることで起こる病気です。副腎の腫瘍などが原因で、コルチゾールが過剰に分泌されることがあります。
顔やお腹まわりに脂肪がつく一方で手足が細くなる、皮膚が薄くなってあざができやすい、お腹などに幅の広い赤紫色の線ができるといった特徴的な症状がみられることがあります。また、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの原因になることもあります。

一方で、目立った症状がなくても、副腎の腫瘍からコルチゾールが必要以上に分泌されていることがあります。この状態は「サブクリニカルクッシング症候群」と呼ばれ、副腎偶発腫瘍の検査をきっかけに見つかることが多くあります。特徴的な症状はなくても、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などに関係することがあります。
診断では、血液検査などに加えて、必要に応じてデキサメタゾン抑制試験を行い、コルチゾールが適切に抑えられるかを確認します。
治療方針は、コルチゾールが過剰な程度や症状、高血圧・糖尿病・骨粗しょう症などの合併症を含めて判断します。手術が必要と考えられる場合は、連携する病院へご紹介します。サブクリニカルクッシング症候群で手術を行わない場合は、高血圧や糖尿病などの治療を行いながら、定期的に経過をみていきます。


褐色細胞腫

褐色細胞腫は、副腎にできる腫瘍で、「カテコラミン」というホルモンを過剰に分泌します。カテコラミンは、アドレナリンやノルアドレナリンなど、血圧や脈拍を上げるはたらきのあるホルモンです。
急な血圧の上昇、動悸、頭痛、汗が多く出るなどの発作を繰り返すことがあります。発作がなく、血圧が高い状態が続く方もいます。また、こうした症状がほとんどなく、CTなどで副腎腫瘍を指摘されたことをきっかけに見つかる場合もあります。

診断では、血液検査や尿検査でメタネフリン分画などを測定し、必要に応じてCTなどの画像検査とあわせて評価します。褐色細胞腫が強く疑われる場合や、専門的な検査・治療が必要な場合は、連携する病院へご紹介します。

褐色細胞腫は、急激な血圧の上昇や不整脈を起こすことがあるため、早めに見つけて治療することが大切です。治療の基本は手術で、手術の前には薬で血圧などを十分に整えます。手術後も再発することがあるため、長期にわたって定期的な検査が必要です。


受診について

甲状腺の診療も予約不要です。受付時間内にご来院ください。

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受診の際は、次のものがあればお持ちください。
  • 健診やほかの医療機関の検査結果
  • CTやMRIなどの画像データ(CD-Rなど)
  • これまでの血圧の記録
  • お薬手帳
  • 紹介状(診療情報提供書)

お手元にない場合でも受診できます。

服用中のお薬は、自己判断で中止せずにご来院ください。検査によっては、日を改めて行うものや、結果が出るまで時間がかかるものがあります。