甲状腺

甲状腺の病気は、動悸や体重の変化などの症状をきっかけに見つかることがあります。健康診断や血液検査、画像検査で偶然見つかることもあります。
これらの症状は他の病気でも起こります。一部だけ当てはまる場合や、気になる場合もご相談ください。

動悸・体重減少などの症状がある

  • 動悸がする、脈が速い
  • 手が震える
  • 汗が多い、暑がりになった
  • 食事量は変わらないのに体重が減る
  • 疲れやすい、落ち着かない

だるさ・体重増加などの症状がある

  • だるさや疲れやすさが続く
  • 寒がりになった
  • むくみやすい
  • 体重が増えた
  • 便秘が続く
  • 脈が遅いと言われたことがある

首の腫れ・しこり・痛みがある

  • 首の前側が腫れている
  • 首にしこりがある
  • 首の前側に痛みがある

健診・血液検査・画像検査で指摘された

  • 甲状腺機能の異常(TSH〔甲状腺刺激ホルモン〕や甲状腺ホルモンの値)を指摘された
  • バセドウ病や橋本病の疑いを指摘された
  • 甲状腺の腫れやしこり(結節)を、超音波検査やCTなどで指摘された


当院の甲状腺診療

院長は、総合病院の糖尿病・内分泌内科で、甲状腺疾患を含む内分泌疾患の診療に携わってきました。

当院では、甲状腺ホルモンの異常だけでなく、甲状腺の腫れやしこりについても診療しています。血液検査と甲状腺エコー(超音波検査)で、ホルモンの働きと、腫れやしこりの有無の両方を確認します。

甲状腺の病気は、動悸や不整脈などの心臓の症状や、コレステロール値の異常と関係することがあります。
循環器専門医としての視点も生かし、心臓や脂質の状態も含めて診療します。


当院で行う甲状腺の検査

甲状腺の病気が疑われる場合は、症状やこれまでの経過に応じて、血液検査や甲状腺エコー(超音波検査)を行います。

血液検査

TSH(甲状腺刺激ホルモン)や甲状腺ホルモン(FT4・FT3)を測定し、甲状腺の働きを確認します。
バセドウ病や橋本病などが疑われる場合は、必要に応じて甲状腺に関連する抗体も調べます。

甲状腺エコー(超音波検査)

首にゼリーを塗り、器具を当てて甲状腺を観察する検査です。痛みはほとんどありません。
甲状腺の大きさや腫れ、しこり(結節)の有無や形などを調べます。


甲状腺機能亢進症
(バセドウ病など)

甲状腺ホルモンが多くなり、体の代謝が高まりすぎた状態を甲状腺機能亢進症といいます。動悸、手の震え、汗が多い、暑がり、体重減少などの症状がみられることがあります。
これらの症状は他の病気でも起こるため、血液検査などで確認します。動悸や脈の乱れの原因として、甲状腺の病気が見つかることもあります。
代表的な原因はバセドウ病ですが、甲状腺炎でも一時的に甲状腺ホルモンが高くなることがあります。原因によって治療方法が異なるため、血液検査や甲状腺エコーなどで原因を確認します。

バセドウ病

バセドウ病は、免疫の異常によって甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気です。

治療には主に抗甲状腺薬を使用します。症状や検査結果を確認しながら薬の量を調整し、甲状腺機能を適切な範囲に保つことを目指します。
薬での治療が難しい場合や、手術・放射性ヨウ素治療などが適している場合は、総合病院などの医療機関へご紹介します。
妊娠を希望される方、妊娠中の方は、薬の選択に注意が必要です。早めにご相談ください。

甲状腺炎

無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎では、甲状腺に蓄えられていたホルモンが一時的に血液中へ放出され、甲状腺ホルモンが高くなることがあります。
亜急性甲状腺炎では首の痛みや発熱を伴うことがあり、無痛性甲状腺炎では痛みを伴いません。
多くは時間とともに落ち着くため、バセドウ病で使う抗甲状腺薬は通常必要ありません。症状に応じて、つらい症状をやわらげる治療を行います。


甲状腺機能低下症
(橋本病など)

甲状腺ホルモンが不足し、体の代謝が低下した状態を甲状腺機能低下症といいます。だるさ、寒がり、むくみ、体重増加、便秘などの症状がみられることがあります。
症状はゆっくり進むことが多く、年齢や疲れのせいと思われて気づきにくいことがあります。また、甲状腺の働きが低下すると、コレステロールが高くなることもあります。
血液検査でTSH(甲状腺刺激ホルモン)や甲状腺ホルモンを測定し、必要に応じて抗体検査や甲状腺エコー(超音波検査)を行います。

橋本病

橋本病は、免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が起こる病気で、甲状腺機能低下症の代表的な原因です。

橋本病があっても、甲状腺の働きが正常に保たれている方は多くいます。その場合は通常、薬は使わず、定期的な血液検査で経過をみます。

甲状腺ホルモンが不足している場合は、不足分を補う甲状腺ホルモン薬を使用します。血液検査を確認しながら、必要な量を調整します。

潜在性甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの値は正常でも、TSHだけが高くなることがあります。これを潜在性甲状腺機能低下症といい、健診などの血液検査で見つかることもあります。甲状腺の働きが少し弱まり、甲状腺を働かせようとしてTSHが増えている状態です。
すべての方にすぐ治療が必要なわけではありません。TSHの値、症状、年齢、抗体の有無などを確認しながら、治療するか経過をみるかを判断します。
妊娠を希望される方や妊娠中の方は、甲状腺機能の管理が特に重要です。早めにご相談ください。


甲状腺結節(しこり)・甲状腺腫瘍

甲状腺にできるしこりを「甲状腺結節」といいます。健診や人間ドック、ほかの病気の検査(頸動脈エコーやCTなど)で、症状がないまま見つかることもあります。
しこりには、液体がたまった袋(嚢胞)や良性の腫瘍などさまざまな種類があり、多くは良性です。すべてに治療が必要なわけではありません。
当院では甲状腺エコー(超音波検査)で、しこりの大きさや形などを調べます。その結果やこれまでの経過から、定期的な経過観察でよいか、さらに詳しい検査が必要かを判断します。細胞を調べる検査(穿刺吸引細胞診)や手術などが必要な場合は、総合病院などの医療機関へご紹介します。
健診などで甲状腺の腫れやしこりを指摘された方は、まずはご相談ください。


当院での診療と連携

甲状腺の病気の多くは、当院で血液検査や甲状腺エコーを行いながら、通院で治療や経過観察ができます。

詳しい検査や手術などが必要な場合は、総合病院などの医療機関と連携して診療します。

紹介先での治療が落ち着いた後は、当院で引き続き診療することもできます。


受診について

甲状腺の診療も予約不要です。受付時間内にご来院ください。

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健診やほかの医療機関の検査で甲状腺の異常を指摘された方は、検査結果をお持ちください。CTなどの画像がある場合は、画像データ(CD-Rなど)もあると参考になります。
現在ほかの医療機関で甲状腺の治療を受けている方は、お薬手帳や紹介状(診療情報提供書)、これまでの検査結果をお持ちください。
いずれも、お手元にない場合でも受診できます。
以前にバセドウ病や橋本病などの治療を受けていた方や、通院が途切れている方もご相談ください。